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汽水がはぐくむ、豊かな餌
海と川が混じる湖には、プランクトンや小魚が豊富。うなぎにとって、餌に恵まれた育ちの場がここにあります。
遠州灘とつながる、恵みの汽水湖
明治期、全国に先駆けた養殖の地
腹開き・炭火焼きの関西風
01LAKE HAMANA
海と川が出会い、塩と淡水が混ざり合う。浜名湖という場所の成り立ちそのものが、うなぎの美味しさの始まりです。
浜名湖は、遠州灘の海水と、天竜川をはじめとする河川の淡水が交わる汽水湖です。静岡県西部、浜松市と湖西市にまたがり、面積はおよそ65平方キロメートル、湖岸線はおよそ114キロメートルにも及びます。
湖と海をつなぐ今切口から潮が出入りし、季節や場所によって塩分濃度が変わる。そんな不安定で豊かな環境は、植物プランクトンや小魚など、うなぎの餌となる生き物であふれています。
明治時代、この地で全国に先駆けてうなぎの養殖が始まったとされています。以来、一世紀半。浜名湖は「うなぎの湖」として、日本の食卓にごちそうを届けてきました。
湖の環境と、そこで暮らす人々の手。その両方が、今日の浜名湖うなぎをつくっています。
65km²
湖の面積(およそ)
114km
湖岸線の長さ(およそ)
2,000km
うなぎが旅する距離(およそ)
02WHY SO GOOD
うなぎの味を決めるのは、育つ環境と、火を入れる技。浜名湖うなぎの美味しさを支える、四つの要素をひもときます。
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海と川が混じる湖には、プランクトンや小魚が豊富。うなぎにとって、餌に恵まれた育ちの場がここにあります。
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養殖池では水質と水温を細やかに管理。温暖な浜松の気候のなか、うなぎはゆっくりと身を育てます。
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浜松では腹開きにして、蒸さずに炭火でじっくり焼く関西風が主流。皮目は香ばしく、身はふっくらと仕上がります。
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醤油とみりんを基にしたタレを、店ごとに継ぎ足しながら守る。焦がさず、香ばしく仕上げる職人の手仕事です。
THE TASTE OF LAKE HAMANA
水が、味をつくる。
海と川が交わる湖で、うなぎはゆっくりと育つ。
03HOW TO ENJOY
蒲焼き、白焼き、うな重──。同じうなぎでも、火の入れ方と合わせるもの次第で、表情はいくつにも変わります。
タレをつけながら炭火で焼く、うなぎの王道。香ばしい皮と、甘辛いタレが身に絡みます。
タレをつけず、素焼きにしたもの。うなぎ本来の脂と旨みを、わさび醤油で。日本酒との相性も。
蒲焼きを炊きたてのご飯にのせた、ごちそうの形。タレがしみたご飯まで、最後の一粒まで。
刻んだ蒲焼きを、薬味や出汁で三度楽しむ食べ方。浜松でも親しまれる、贅沢な一膳です。
肝のほろ苦さは、大人の楽しみ。肝吸いとともに味わえば、一膳がより豊かになります。
骨を揚げた香ばしいおつまみ。うなぎを余すところなく楽しむ、浜名湖の知恵です。
※ 提供の仕方やタレの味わいは、店舗によって異なります。
04A LONG JOURNEY
うなぎは、私たちが思うよりずっと遠い海からやってきます。その旅路を知ると、一膳の重みが少し変わります。
うなぎの産卵場や回遊の経路は、いまも研究が続く謎。卵から親魚を育てる「完全養殖」の研究も進んでいます。
マリアナ海溝の西側、グアム島近くの海域と推定されています。春から夏にかけて、深い海で卵を産みます。
レプトセファルスと呼ばれる透明な幼生が、黒潮に乗って日本へ。その距離は約2,000キロメートルともいわれます。
冬から春、シラスウナギとなって日本の沿岸にたどり着き、川や湖を目指します。浜名湖にも、その姿が現れます。
浜名湖の養殖池で、1〜2年かけて出荷サイズへ。水と餌、そして人の手に支えられて、ゆっくりと身を育てます。
炭火で焼かれ、タレをまとって、誰かの「ごちそう」になる。長い旅の終わりに、私たちの一膳があります。
05AROUND THE LAKE
浜松駅から湖へ向かう道のりには、老舗の暖簾と、湖を望む席があります。旅の目的に合わせて、行き先を選んでみてください。
新幹線を降りてすぐ、うなぎの香り。駅前には老舗や名店が集まり、旅の始まりと終わりに一膳を。
浜名湖の東岸にひらけた温泉街。遊覧船やロープウェイとあわせて、湖畔のうなぎをゆっくりと。
遠州灘と浜名湖が出会う場所。海を眺めながら味わううなぎは、潮風の香りとともに記憶に残ります。
東海道の宿場の面影が残る湖西エリア。静かな湖岸で、時間をかけて一膳に向き合うのも贅沢です。
06FOR THE NEXT TABLE
ニホンウナギは、2014年にIUCNのレッドリストで絶滅危惧IB類に指定されました。資源を守る取り組みと、食べる私たちの意識。どちらも、次の一膳につながっています。
国内では、シラスウナギの採捕に関する規制、養殖場での管理、河川環境の保全など、さまざまな取り組みが進められています。研究機関では、卵から親魚を育てる完全養殖の研究も続いています。
うなぎがどこから来て、どう育つのか。知ることから、味わいは深くなります。
生産者と店の手仕事に感謝して、残さずいただく。その一膳を、大切に。
旬を楽しみながら、資源と向き合う。持続可能な選択を、少しずつ。
07Q & A
浜名湖うなぎを味わう前に、知っておきたいことをまとめました。
天然のうなぎは秋から冬にかけて脂がのり、旬とされます。養殖うなぎは一年を通して出回りますが、土用の丑の日には夏の風物詩として多くの人に楽しまれます。
関東風は背開きにして一度蒸してから焼くため、ふっくらとした食感。関西風は腹開きのまま炭火で焼くため、香ばしさが際立ちます。浜松では関西風が主流です。
うなぎ本来の味を楽しむなら白焼き、香ばしいタレとご飯を味わうなら蒲焼き。両方を出す店なら、食べ比べもおすすめです。
はい。醤油、みりん、砂糖などの配合や、継ぎ足してきたタレの歴史は店ごと。同じ浜名湖のうなぎでも、味わいが変わるのも楽しみのひとつです。
東京から東海道新幹線で浜松まで約1時間30分、名古屋から約30分。浜松駅から路線バスで湖岸へ向かえます。車なら東名高速道路の浜松西ICや三ヶ日ICが便利です。