日本のコメ(主食用米)収穫量の推移と将来予測

農林水産省「作物統計調査」(2020〜2026年産)に基づく収穫量・需要・在庫・価格の推移と、2040年に向けた需要・生産力の中長期試算(農林水産省、全国米穀販売事業共済協同組合)を1ページに整理しています。

最終更新:2026年10月16日|2026年産は9月25日現在の予想収穫量(2026年10月13日公表、概数値)。収穫量はいずれも主食用(水稲)。

2026年産 予想収穫量(主食用・生産者ふるい目幅ベース)
710.5万t
前年産比 ▲7.6万t(▲1.1%)
ふるい目幅1.70mmベースでは740.6万t(▲6.2万t)
2026/27年 需要見通し(主食用米等・玄米ベース)
693〜711万t
2025/26年の需要実績は683万t(速報値)
基本指針(2026年7月)の2026年産生産量見通しは711万t
民間在庫量(2026年6月末・出荷と販売段階の計)
243万t
前年同月比 +88万t(2025年6月末は155万t)
2027年6月末は242〜260万tの見通し(上位値なら2004年の調査開始以来最大)
2040年の試算値(需要量/生産可能量)
493万t / 363万t
農林水産省の需要トレンド試算/全米販の生産可能量推計
いずれも2020年比で、需要は約30%減(農水省)、生産可能量は約50%減(全米販)

主食用米の収穫量・需要量の推移と2040年試算(2020〜2040年)

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グラフの数値を表で見る
年 収穫量
生産者ふるい目幅(万t)
収穫量
1.70mm(万t)
需要実績
(万t)
農水省
需要トレンド試算(万t)
全米販
2040年推計(万t)
2020690.6722.6704704(実績)—
2021669.8700.7702——
2022639.0670.1691——
2023639.0661.0705——
2024651.9679.2713——
2025718.1746.8683(速報)——
2026(予想)710.5740.6693〜711(見通し)——
2040(試算)———493需要375/生産可能量363
野心的シナリオの需要722(輸出含む)

1. 収穫量の実績と2026年産の見通し(2020〜2026年産)

農林水産省の作物統計調査(水稲の収穫量)は、2025年産(令和7年産)から主たる公表基準を、従来の「ふるい目幅1.70mm」から、実際の出荷実態に近い「生産者が使用しているふるい目幅(1.80〜1.90mm)」に切り替えました。1.70mmベースの数値も「生産者ふるい下米を含む収穫量」として併記され、過去の年産についても両基準の数値が累年データとして公表されています。本ページでは両基準を併記します。

年産 主食用
作付面積
(万ha)
単収(kg/10a)
生産者/1.70mm
収穫量(万t)
生産者基準
収穫量(万t)
1.70mm
作況
単収指数
需給・生産の主な背景
2020年(令和2年) 136.6 508/531 690.6 722.6 99 コロナ禍で外食需要が減少。在庫が積み上がり、米価は下落
2021年(令和3年) 130.3 515/539 669.8 700.7 100 過剰在庫を受け、主食用から飼料用米・備蓄米等への大幅な作付転換(主食用作付面積は▲6.3万ha)
2022年(令和4年) 125.1 511/536 639.0 670.1 100 作付面積の縮小が続き、収穫量は670万t台へ
2023年(令和5年) 124.2 515/533 639.0 661.0 101 猛暑による高温障害で一等米比率と精米歩留まりが低下。需要は増加に転じ、2024年夏の端境期に品薄へ
2024年(令和6年) 125.9 519/540 651.9 679.2 101 1.70mmベースで前年比+18.2万tも、集荷競争の激化で価格が高騰。2024年6月末の民間在庫は153万tと低水準
2025年(令和7年) 136.7 526/547 718.1 746.8 102 高米価を受けた主食用への作付回帰(+10.8万ha)で大幅増産。2017年産以来の高水準
2026年予想(令和8年) 136.0 524/546 710.5 740.6 102 9月25日現在の予想。備蓄米等への転換で作付面積は▲0.7万ha、長雨・日照不足で単収は▲2kg。需要見通し(693〜711万t)を上回る水準

作況単収指数は、10a当たり収量の「前年産までの5か年中3か年平均(最高・最低を除く)」に対する比率。2020年産以降は生産者ふるい目幅ベースで算出されており、従来の作況指数に代わる指標として2025年産から導入された。2026年産の数値は概数値。

2. 需給バランスと価格の推移(2022〜2026年産)

生産量、需要実績、翌年6月末の民間在庫、相対取引価格を年産ごとに並べると、2024年産を中心とした「在庫の枯渇と価格高騰」から、2025年産以降の「在庫の回復と価格の軟化」への転換が読み取れます。

年産 生産量(万t)
生産者基準
需要実績(万t)
当該年産の7月〜翌6月
翌年6月末
民間在庫(万t)
相対取引価格
年産平均(円/玄米60kg)
2022年産(令和4年)639.069119713,844
2023年産(令和5年)639.070515315,315
2024年産(令和6年)651.971315525,179
2025年産(令和7年)718.1683(速報)24335,573(速報)
2026年産(令和8年)予想710.5(予想)693〜711(見通し)242〜260(見通し)—

需要実績は玄米ベースの主食用米等需要量(前年6月末在庫+当年産生産量+政府備蓄米供給量−当年6月末在庫)。2025/26年の需要実績は2026年11月末までに見直される予定。相対取引価格は出回りから翌年10月までの全銘柄平均で、2025年産は2026年6月までの速報値。

3. 2040年に向けた中長期シナリオ

長期的なコメの需給は、「人口減少・少子高齢化による需要減」と「稲作農家の高齢化・離農による生産力低下」の2つの軸で試算されています。代表的な試算は次の2つです。

試算 指標 2020年 2040年 変化
農林水産省
基本法検証部会(2022年12月)
主食用米の需要量704万t493万t▲211万t(▲30%)
同主食用米の作付面積137万ha96万ha▲41万ha
同水田面積(トレンド)225万ha203万ha100万ha超が主食用米以外へ
全米販・日本総研
「米穀流通2040ビジョン」現実的シナリオ(2024年6月公表)
国内需要量(独自推計)636.6万t375万t▲41%
同生産可能量—363万t2020年比 ▲50%
同コメの基幹的従事者85万人30万人程度▲65%
同 野心的シナリオ国内需要量(輸出仕向けを含む)—722万t2020年比 +13.4%
同輸出量(めざすべき最大量)5.4万t(2022年)343万t—
同米穀市場規模5.06兆円5.97兆円+18.0%

4. まとめ

日本の主食用米の収穫量は、2023年産の661.0万t(1.70mmベース)を底に、2025年産746.8万t、2026年産(予想)740.6万tへと回復した。需要見通し(693〜711万t)を上回る生産が2年続き、民間在庫は2026年6月末に243万tまで積み上がり、短期的には「不足と価格高騰」から「余剰と価格調整」の局面へ移っている。

一方、中長期では、人口減少によって需要が2040年に493万t(農林水産省試算)ないし375万t(全米販推計)へ縮小するのに対し、生産者の高齢化・離農はそれ以上に速く進み、全米販は2040年の生産可能量を363万tと推計する。2030年代以降の課題は「余剰対策」から「生産基盤の維持と、輸出・加工用途を含めた需要の創出」へと転換する。