1. 定義と前提条件
配当割引モデル(Dividend Discount Model / DDM)およびゴードン成長モデルにおいて、 1期後の予想配当(キャッシュフロー)を $D_1$、株主資本コスト(割引率)を $r$、配当の永続成長率を $g$ とすると、理論株価 $P$ は無限等比級数の和として定義されます:
資本資産評価モデル(CAPM)により、割引率 $r$ は無リスク金利 $r_f$、市場リスクプレミアム $ERP$、ベータ値 $\beta$ に分解されます:
したがって、無リスク金利 $r_f$ に対する割引率の感応度は常に1です: $\frac{\partial r}{\partial r_f} = 1 > 0$
2. 1階微分による株価下落の証明
理論株価 $P$ を金利 $r$ で偏微分(1階微分)します:
将来配当 $D_1 > 0$ かつ $(r - g)^2 > 0$ であるため、 $$\frac{\partial P}{\partial r} < 0 \quad \text{かつ} \quad \frac{\partial P}{\partial r_f} = \frac{\partial P}{\partial r} \cdot \frac{\partial r}{\partial r_f} = -\frac{D_1}{(r-g)^2} < 0$$ ゆえに、金利 $r_f$ が上昇すると理論株価 $P$ は数学的に必ず単調減少します。
3. 2階微分と凸性(Convexity)
2階微分を計算すると、金利感応度の曲率(Convexity)が導かれます:
$\frac{\partial^2 P}{\partial r^2} > 0$ であることは、株価関数 $P(r)$ が下に凸(Strictly Convex)であることを示します。 つまり、「超低金利から少し金利が上がる時」の下落ショックが最も大きく、金利がすでに高水準にある局面では金利上昇あたりの下落幅は徐々に緩やかになります。